デビュー当時の『週プレ』インタビュー
職人気質な幼少期
撮り下ろし&インタビューシリーズ『微熱少女』第27回に登場するのは、新人女優・河合優実(ゆうみ)ちゃん、18歳。
バレーボウイズ『雨があがったら』のMVでみせた、幼さの中に大人の色気をのぞかせる凛とした雰囲気がとても印象的な女のコだ。
そんな彼女は、今年の2月にデビューを果たすや、MVやUberEatsのCMなどに出演。2020年には早くも7本の映画出演が決まっている。
すらりとしたスタイルとショートヘアが目を惹く彼女の、これまでとこれからを探ります!
バレーボウイズ「雨があがったら」MV
――今回は『微熱少女』にご出演いただき、ありがとうございます! 河合さんは、第25回に登場した見上愛さんとは「学校の同級生」だとお聞きしました。
河合 同じ学校で同じく演劇を学んでいます。
プライベートでも仲がいいので、見上がこの連載に出たときもインタビューを読んでました。
そのあとに私も「週プレで撮影がある」って聞いて、「もしや?」と思っていたら案の定『微熱少女』で。"次に来る10代"という企画に選んでいただいて、素直にめちゃめちゃうれしいです。ありがとうございます。
――こちらとしても何よりです!そんな『微熱少女』の撮影はいかがでした?途中、カメラマンから撮ったばかりの写真を見せてもらっていましたが、小声で「エモ......」とつぶやいていましたね。
河合 言ってました?それは無自覚でしたけど(笑)、「自分ってこんな顔するんだ」って一面が知れてすごくよかったです。河川敷で走り回りながら撮るのも楽しかったですね。
「UberEats」CM
職人気質な幼少期
――特技がダンスということもあって、河川敷でも足取りが軽やかでしたね。今年9月にリリースされた音楽ユニット・supercellの『#LOVE feat Ann gaku』のMVでも、色気たっぷりで見事なダンスを踊っていました。ダンスは小さい頃からやっていたんですか?
河合 そうですね。小学3年生の頃、もともと妹が通っていたダンススクールに私も通いだして。ダンス部がなかった中学だけはバスケをやってたんですけど、高校ではダンス部に入って、3年間練習してました。
――小中高と運動漬けだったんですね。では、性格も活発なタイプ?
河合 どっちかといえば根は内向的なタイプだったと思います。昔から人見知りではなかったんですけど、自分からめちゃくちゃ積極的に友達を作りに行くほうでもないし、ひとりだけ別行動をするのが好きなコでしたし。
――別行動ですか?
河合 たとえば幼稚園の頃、みんなでお花を潰して色水を作って、おままごとするのが流行ってたんです。その色水を使って「ジュース屋さんごっこだ~」って。でも、私はずっと隅っこにいて、ひたすら色水を作り続けてたらしいんです。
で、幼稚園参観でそれを見たお母さんが「みんなと一緒におままごとしないの?」って聞いたら、「色水は作りたいけど、おままごとはしたくない!」って返したらしくて。
――職人気質を感じるひと言ですね(笑)。「友達と遊ぶより、自分の理想の色を作るんだ!」みたいな感じで。
河合 お母さんは「このコは将来、この協調性で大丈夫なのか」と心配だった......って聞きました(苦笑)。
――その頃から、黙々と自分の世界に熱中したり、何かを作ったりすることが好きなコでした?
河合 かもしれないです。当時はお母さんとふたりで散歩しているときに急に座り込んで、気になった石や草をずーっと観察して、お母さんを待たせ続ける......みたいなこともしてました。
――お母さん、さっきから困り果ててますね!(笑)。そんなコだった河合さんですが、どういう経緯で役者を志すようになったんですか?
河合 はじめは「役者になりたい」というより、漠然と「表現の仕事がしたい」と思っていたんです。それは高校でダンス部に入ったことが大きかったと思います。
私が入ったダンス部は、自分たちでダンスの構成や振り付けをゼロから作ることが多かったんです。
そこで作ったものを舞台で踊ることで、「何かを作って、人に見てもらう楽しさ」を知ることができて。高1のうちには「将来は人の心を動かせるようになりたい」と思うようになってました。
――なるほど。でもその流れだと、子供時代にもダンスをやっていましたし、普通ならそのままダンサーを目指しそうな気がします。
河合 自分でもそう思います(笑)。でも私、ダンスを続けているうちに「ダンスだけが表現したいことじゃない!」と思ったんですよ。
たとえば「ダンサー」だと表現の方法はダンスだけになるけど、「役者」であれば舞台や映像でお芝居ができるし、ミュージカルで歌も歌えるじゃないですか。
昔からミュージカルが好きだったこともあって、「自分の身体や声を使ってできることは、なんでも創ってみたい。やってみたい!」と思ったので、役者を目指し始めました。
[via:週プレNEWS 2019年11月]
https://wpb.shueisha.co.jp/news/entertainment/2019/11/11/110113/
CM『inゼリー』受験にinゼリー2020
独特な習慣とは?
――小耳に挟んだのですが、河合さんは日記のような感じで、自分の心を振り返るノートを持っているとか。
河合 日記みたいに、毎日、起きた出来事を書くわけじゃないんですけど、「役者になりたい」って決めた高2の頃からたまに書くようにしてるんです。
昔から「なんで私はこれが好きなのか」とか「どうしてこの仕事をしているのか?」みたいな自問自答をするのが好きで。
ノートは誰に見せるわけでもないんですけど、その自問自答で考えたことを自分で見返したときに、何かの振り返りになるじゃないかって思ってやってます。
ほかにも、たとえば「初めてオーディションに落ちたときはこう思った」みたいな感じで、大きな出来事と気持ちを記録することもありますね。お芝居で同じような感情が演技で必要になったら、思い出す材料になるかなって。
――とことん真面目というか、河合さん......役者としてかなり徹底されていますよね。素晴らしすぎる!
河合 いや、そのためだけじゃないんですよ。
人には絶対に見せたくないし、将来、自分で見ても恥ずかしく感じる中身だと思うんですけど、単純にそういう恥ずかしいものを見返すのも好きなんです(笑)。今日はインタビューがあるので見返してきましたけど。
――ありがとうございます!ちなみに、そのノートには名前とかもついていたり?
河合 ......表紙には、高2のときに書いた「夢ノート」って文字があります。コレに関しては見せなくても、言うだけで超恥ずかしいですね。死にたいくらい恥ずかしいです。
――いやいや!かなりいい話だと思いますよ!
ところで、前編の最後に「ミュージカルが好き」と言っていましたが、ミュージカルといえば、公式サイトのプロフィールに書かれている「趣味:ひとりミュージカル」が気になりました。あれはいったい?
河合 文字通り、私ひとりでミュージカルをやることですね。家にいるときに、頭が「ミュージカルがやりたい」ってモードに入ったら、YouTubeで好きなミュージカルの映像を流して。音に合わせて、ひとりで歌って踊ってるんです。
――「ひとりカラオケ」や「ひとり焼肉」のような感じで、「ひとりでミュージカルを観に行くこと」を指している可能性も考えたんですが、やはり演じるほうでしたか!(笑)。というか、「ミュージカルがやりたいモード」というのがあるんですね。
河合 どれだけやりたいかはその日の気分によるので、登場人物全員演じるのか、ひとりだけを演じるのかは使い分けてます。家族以外にはまだ見せたことないんですけど、楽しいんですよ?
――歌っているので、シンプルにストレス発散になりそうですけど(笑)。この趣味について、ご家族からは何か言われないですか?
河合 平気で2時間くらい歌い続けることがあるので、あまりに長いときはお母さんや妹から「うるさい!」って怒られます。
そう言ってくるお母さんも、昔から家ではよく歌っているので、だから私も「家=歌っていい場所」って認識しちゃってると思うんですけど......(笑)。
今はまだ家でしかやっていないですけど、いつか仕事でもミュージカルに挑戦してみたいです!
――河合家のにぎやかさはイメージできました(笑)。来年以降に期待です!
役者1年目の出来事
ところで、今の事務所に所属した今年の2月以降、a flood of circleやバレーボウイズといったバンドのMVや、UberEatsやABCマートのCMなど、早くもさまざまな映像に出演してきましたが、印象的なお仕事はありましたか?
河合 いろんなお仕事をさせていただいたんですけど、中でも『some day』の印象が強いかもしれないです。「もしかしたら、これが私の"原点"になるんじゃないか」と思いました。
オーストラ・マコンドー舞台『some day』
――9月に行なわれた初舞台ですね。原点ですか?
河合 はい。約1カ月っていう長い期間、自分の役と向き合ったのが初めてで。全然思うようにいかないこともあったんですけど、ほかの役者さんたちや演出家さんと時間をかけてひとつの世界観を作るっていう体験ができたというか。
皆さんが「このとき、あめはどう感じると思う?」って、私にも意見を交換させてくださったりして、"自分も舞台を作っている"っていう感覚があったんです。
今年は「決まったお仕事に、とにかくブチ当たっていく」って1年だったので、悪い言い方だけど「このまま"こなす感じ"になっちゃう可能性もあるな」「怖いな」って思うときもあったんです。
でも、その"舞台を作る感覚"になれたことで、「忙しくなっても"自分で表現したい"っていう初心は忘れないようにしよう」って思えました。
――なるほど。前編では「自分の身体や声を使ってできる表現はなんでもやってみたかった。だから役者を目指し始めた」「何かを作って、人に見てもらうことは楽しい」などの気持ちを話してもらいましたが、それを早くも振り返るきっかけになったんですね。
河合 そうです。これからどんどん、いろんな人の目に触れる機会を増やしていきたいと思ってるんですけど、来年も、再来年も...ずっとですね。それだけは忘れないようにしたいです。
――素敵な意気込みです!そうなると、「夢ノート」の記録と見返しが、今後さらに重要になるかもしれませんね。
河合 たしかに!まさにそうですね。恥ずかしいし、俯瞰で居続けるのは難しいけど、絶対に役に立つ気がするので。続けていきたいと思います。
[via:週プレNEWS 2019年11月]
https://wpb.shueisha.co.jp/news/entertainment/2019/11/18/110160/
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